交際相手について、
よく「食の好みは一緒じゃないと」とか
「笑いのツボが一緒なのは大事」などと言う人がいます。
そして、好みのものや嫌いなもの、
面白いと思うことがピタリと一致する相手には、
運命すら感じてしまうことがあります。
ところが、結婚して一緒に暮らしてみると、
そうした考え方がなぜか180度変わります。
互いの「共通点」のかわりに「相違点」探しをしてしまい、
「相手が考えていることがわからない」
「考え方や価値観が違う」という違和感がどんどん大きくなり、
「彼にこんな面があったなんて・・・」と怖くなったり、
「やっていけるのだろうか」と不安になったりもします。
私の離婚相談室で2007年10月から2008年11月に行った
アンケートデータによると、相談者が現在抱えている悩みで
男女ともに1位に挙がったのは、「価値観の相違」でした。
「価値観の違い」は、一緒に暮らしてみると様々な点で感じられるものです。
でも、少し冷静に客観的に考えてみましょう。
実は自分たちが「運命」だと感じた小さな共通点は、
誰にでもありふれたものだったのではないでしょうか。
他人同士が違う価値観を持っているといのは、当たり前のこと。
にもかかわらず、自分の価値観と合わない部分を見つけると、
「なんでこんなに○○なの?」とか、
「私は○なのにあなたはいつも△。ありえない!」などと、
つい不満に思ってしまうのは、価値観の押し付けでしかありません。
もともと価値観のすり合わせをしようということ自体、ムリがあるのです。
タチの悪いことに、女性は共感し合う生きものなので、
その違和感を他人に話して共感を得ることによって、肯定してしまうのです。
たとえば、友達などに、
「私のダンナ、○○なんだけど、おかしくない?」などと話します。
すると、女友達は「それ、おかしい!」
「言ったほうがいいよ」などと同調し煽ります。
そして、女友達の無責任な煽りにのせられて、
ますます夫に対する不安・不満を募らせていくので。
そこで一つ忘れてはいけないのは、
いくら親しい仲であろうとも、
女友達にとって「友達と友達の夫の価値観のズレ」
なんてどうでもいいということ。面白半分の場合もありますし、
相談したところで、無責任な意見に振り回されてしまうだけです。
一方、恋愛や結婚がうまくいく人というのは、
「自分と異なる面」を見せつけると、
「新しい価値観」として受け入れてみたり、
一つの知的好奇心の表れでもあります。
これは他人同士が一緒に生活していく中では、不可欠な感性です。
そもそも自分一人の価値観なんて、
自分が思っているほど優れたものでも、絶対的なものでもありません。
自分の価値観に固執し、他人との価値観の違いを認められない人は、
誰と付き合っても結婚しても、結局はうまくいかないのです。
結婚力が上がる名言
優雅は美貌と違ってすり切れない。
貞淑な妻に優雅ささえあれば、
彼女は結婚の最初の日のように夫に気に入られる。
ルソー(哲学者)